こんにちは、北見尚之です。
地球温暖化が問題視されて久しいですが、その根本にあるのは二酸化炭素の増加です。広大な海が二酸化炭素を吸収するということがわかって以来、専門家の間では海による浄化能力によって、地球温暖化に歯止めがかかるのではないかと期待された時期がありました。
ところが最近の研究では海の二酸化炭素吸収能力にも限界があって、最近の二酸化炭素増加量はその限界を超えつつあるという報告がなされています。すると、海だけの浄化能力でダメなら、では他の対策を加えましょう、という単純な話にはならないらしいのです。
とても怖い話なのですが、海に溶け込んだ二酸化炭素によって、アルカリ性の海水が酸性化していきます。すると、海の二酸化炭素吸収能力が低下してしまい、空気中の二酸化炭素濃度は加速度的に増えていくのです。
さらに酸性化された海では生態系にも影響がでてきます。このまま酸性化が進むと約60年で日本近海においてはサンゴが絶滅するだろうと言われています。すると、そのサンゴを生態系の一部とする魚介類にも影響がでます。なぜかと言いますと、海水に含まれるカルシウムは、炭酸イオンと一緒に、水に溶けにくい固体である炭酸カルシウムを生成しますが、二酸化炭素濃度が増え過ぎると、炭酸イオンが中和されて炭酸カルシウムが生成されなくなってしまいます。
つまり、貝や、プランクトン、サンゴなど、カルシウムの殻や骨格を持つ生物が生命を維持できなくなってしまうのです。