こんにちは、北見尚之です。
農林水産省の発表によりますと、まだ食べられるのに捨てられている食品の量は、日本においては年間800万トンもあるそうなのです。これを、おにぎりに換算すると、1人当たり1日2個のおにぎりを捨てているのと同じだそうですね。
これはとても怖い話だと思いませんか。しかもこれは、まだ食べられる食品に限った場合の話です。放置されるかなにかの理由で、腐敗させてしまった食料は含まれていませんから、それを合わせると、とんでもない量の食品が無駄になっていることでしょう。戦後の食糧難を経験された人が聞いたら、とても立腹されていたそうです。私も同感で、当たり前だと思いました。
ところで、水野南北という人をご存知でしょうか。江戸時代中期の頃の観相学の大家で、当時日本一の観相家といわれ「節食開運説」を唱えた人物です。節食、つまり節度ある食事をとることを心がければ、開運につながるという考え方です。水野南北は「食」を非常に大切にされた方で、食は運命を変えると断言されました。この方の考えには非常に共感が持てるのですが、それを簡単に説明しますと、「タベモノ」とは「賜りもの」、つまり天からの恵みが語源となっているということで、食べ物を粗末にするということは、天(自然)を粗末にするということに等しいという考えです。
なにやら宗教めいた考えだと思う方もおられるかもしれませんが、私は、とても当たり前なことだと思うのです。なぜなら自然の流れに逆らって、成功した人はいません。なにより「もったいない」という気持ちを常に忘れないでいようと思うのです。なぜなら「もったいない」は祖先から我々日本人が受け継いできた美徳であり、心と行動だからです。
北見尚之